LIVE REPORT

5月27日、今回で24回目となる風呂ロックが開催された。
今回のアーティストはYO-KINGさん。朝から降りつづいた雨がさっと止んだ夕方、弁天湯前には多くの人が開場を待っていた。
雨あがりのひんやりとした地面が、雲間から差し込む細い日の光に照らされて、なんだか空気があたたかい。もうすぐ始まるライブへの、期待と興奮の入り混じった雰囲気のせいかもしれない。

浴場と脱衣場に、観客が続々と集まる。開演が近づき、だんだんと浴場が賑やかになってきた。そしてついに、YO-KINGさんが登場。歓声と拍手がリバーブして、そこにいる人数とは思えないほどのワーっという大喝采が響き渡った。それにはYO-KINGさんも「テンションが上がってしまいそう」と一言。トレードマークのサングラスと、白の半袖シャツが、壁に描かれた青々とした富士山と爽やかなコントラストを保ちながら、ライブはスタートした。

真心ブラザーズの楽曲からカヴァー曲まで、バラエティに富んだ楽曲を演奏。中でも、「デイ・ドリーム・ビリーヴァー」は、特に印象的であった。というのも、忌野清志郎さんがつけたその日本語詞を、「そんで 彼は キング」と一部分だけ変えながら、彼は歌っていたのだ。もちろん、その「ずっと夢見させてくれてありがとう」は忌野清志郎さんに告げるメッセージであったにちがいない。
彼の声とギターの音が心地よく響き、私たちの心を活力で満たしてくれる。なんて良い気分なんだろう。会場は、幸福感と熱気とでいっぱいに満たされていた。

さらに、今回のライブで印象的だったのは、曲間に挟んだトーク。銭湯にまつわる話、最近気になる三人の女性タレントの話、「オシャレで申し訳ない」話、どの話も、まさに「どか~ん」と笑いが起こっていた。私も、こんなに笑ったのは久しぶりかもしれない。
そうかと思えば、ふいに哲学的な彼の音楽への考え方には、思わずはっとさせられた。

アンコールでは思わぬハプニングがありながらも、彼は最後に言った。
「YO-KINGはあなたに素敵な音楽を与え続けるでしょう、黒字ベースならば!」

ライブ後、心も体も温まって元気になった私たちは、彼の黒字が続くことを願わずにはいられなかった。

ライブレポート/佐藤美季