LIVE REPORT

曽我部恵一

風呂ロックが吉祥寺のイベントから他の土地へと少しづつ情報が流れ出した。スペースシャーワーTV、J-WAVE、日刊新聞など全国区のメディアからの取材依頼が多数舞い込んだ。
札幌や弘前、仙台など遠くからの応募も沢山いただき僕らスタッフは大変驚き興奮した。
5月花見のシーズンが終わり春の風が街に和んでいた。この春から街に新しく移り住んで来た人達もほっと一息つけるゴールデンウィーク街は大変盛り上がっていたけど、連休も終盤でライブに来てくれたお客さんは日曜の夕方のサザエさんを観る様な気持で集まっていたのかも知れない。

『このすぐ近くに当時付き合っていた彼女が住んでいて。』
確かに曽我部さんのアルバムには吉祥寺という題名の曲があった。
曽我部さんも特別な思いがある街の様だ。
前日の朝方まで事務所で音源を作成したいたとの事で予定していた時間より弁天湯の入り時間が大幅に遅くなりリハーサルの時間はあまり取れずで本番スタート。音色、照明加減は本番の流れで決まって行きどんどん調子を上げていく歌声とかきむしる様なギターの音。前半はほとんどMCも無く戦っている様子で唄い続けライブは進む。聴いている人も体力を使う緊張感のあるライブ。結局最初の数曲以外は完全生音での勝負、ナチュラルリバーブが会場を包み込む。しっと緊張する瞬間もあったけど最後は会場が『ライブハウス弁天湯』となっていた。たった1人で約200名のお客さんを飲みこむ魂の全身全霊のロックンロール。
サニーディ時代の曲もかなり演奏しその事を大変喜んでいるお客さんも沢山いた。

時代の流れとともにいつか銭湯は消えて無くなるかも知れない。その時が来たとしても観覧してくれた方はあそこに銭湯があった事を忘れないと思う。そうであればイベントは成功したと言える。
きっと曽我部さんのライブは皆の脳裏に深く焼きついたに違いない。
その後出演の峯田さん、向井さんに聞いたのだけどプライベートで曽我部さんに会った時に、この「風呂ロック」で使用する機材等のアドバイスをして下さったそうだ。

Vol.4を終えイベント自体が大きく成長したものだと強く感じた。
この後のイベントに勢いをつけてくれた曽我部さんに感謝したい。ライブレポート/浅見昌弘